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19 ED
(自由診療)

性交渉時に十分な勃起が得られない状態をED(勃起不全、勃起障害)といいます。

EDの原因としては精神的、心因性の要素に起因するもの、糖尿病や高血圧などの生活習慣病に起因するもの、男性ホルモンの分泌が低下することによるもの、薬剤性(抗うつ薬、一部の降圧剤)などが挙がられます。また中高年者のEDは将来の心血管疾患の発症率とも関連が指摘されております。生活習慣病により陰部の細い血管(陰茎動脈は直径が1-2mm程しかありません)の動脈硬化が進みEDの症状をきたしている場合もあるからです。ある報告では中高年者でED発症から3年後の冠動脈疾患のリスクが高まっているとも言われております。

そのため器質的ED、心因性ED、混合性EDといった分類がされる場合もあります。日本人男性の1100万人以上、つまり4人に1人にEDの症状があるとの報告があり決して稀な症状ではありません。しかし周囲や医療従事者にさえも相談しづらい症状に感じる方もいらっしゃると思います。
20代などの若年者のEDの場合は心因性が多いですが性交渉の失敗の経験自体がさらなるストレス、プレッシャー、自信喪失、トラウマとなり、より心因性EDが悪化するという悪循環に至る恐れもあります。このようになってしまうと恋愛や結婚、異性への積極性にも悪影響を与えてしまいかねません。

治療はPDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)が第一選択とされております。
よくある誤解ですが内服しても勝手に勃起が持続するというわけではなく性的な刺激、興奮がなければ勃起はしません。
狭心症、心筋梗塞を以前に起こしたことのある方は治療薬で併用が出来ないものがあり注意が必要です。というのも実はバイアグラ(シルデナフィル)は狭心症の治療薬として開発されていた経緯があり、その中で勃起改善の作用が判明したころから勃起不全の解消のための薬としての臨床試験が行われました。狭心症や心筋梗塞の治療薬で用いられる硝酸薬(ニトロ、ミオコール、フランドルなど)は作用機序が重なるものであるため血管拡張作用が強く出てしまい過降圧などの危険な副作用が出てしまう恐れがあり併用禁忌となっております。また半年以内に心筋梗塞を起こした方も内服はできません。血圧が低すぎたり高すぎたりする方も処方を行うことはできません。

インターネット上で特に個人輸入品として流通しているED薬(バイアグラ、シルデナフィル、レビトラ、シアリス)は大半が偽物を占めているといわれており注意が必要です。また有効成分が含まれていなかったり、また含まれてはいても量が実際より少なかったり(わずかに効果があるため偽物だと気づきづらい)不純物や有害な物質が含まれているなど安全性が担保されていないものが多いです。このような偽物のバイアグラなどで健康被害が起きていることも報告されています。基本的にはED薬は医療機関で処方されて使用するべきと思われます。

バイアグラジェネリック(シルデナフィル) 

バイアグラの後発品がシルデナフィルです。先発品と同じく食事や飲酒の影響で効果が薄れてしまうことに注意が必要です。
そのため性交渉の60分前に空腹時で内服をするようにしてください。食事や飲酒をしてしまうと有効な成分の吸収が著しく低下します。もし食前に内服する場合には30分以上食事までの間隔をあけるようにしてください。食事をしてしまった場合は食後2時間以上経過してから内服しますが脂質が多い食事だとそれでも吸収が悪いことがあります。前述のように冠動脈疾患の治療薬である硝酸剤とは併用禁忌です。不整脈の治療薬のアミオダロン(商品名アンカロン)とも併用禁忌です。
内服後に血管拡張作用により頭痛や顔のほてり、目の充血が起こることがあります。こちらに関しては基本的には経過を見てよいものが多いですが症状が強い場合はご相談ください。
光が青く見えるという症状がおきる場合もあります。これは他のED薬には見られません。

以下に該当する患者さんもシルデナフィルの内服は禁忌となります。

  • 半年以内に脳出血、脳梗塞を発症した
  • 重い肝機能障害がある
  • 網膜色素変性といわれたことがある
  • 肺高血圧症の治療薬であるリオシグアトを投与されている

※グレープフルーツジュースでの内服は禁忌です。薬が効きすぎてしまうおそれがあります。

バルデナフィル20mg  1錠

レビトラの後発品です。即効性があり、食事の影響も受けづらいバイアグラの欠点を補ったED薬です。他のED薬に比べて切れ味が鋭いと表現され効果発現までの時間はもっとも早いです。食事の影響は普通食ではほとんど受けませんが高脂肪食を摂取した直後だと吸収効率が低下する場合はあります。
即効性があるため性交渉の20~30分前の服用でも大丈夫です。
バルデナフィルの注意点や副作用もバイアグラと共通の部分が多いものとなっております。
(ただし青く見える副作用はバルデナフィルでは見られません)基本的事項はバイアグラの説明をご参照頂ければと思いますが内服後に血管拡張作用により頭痛やほてり、目の充血、動悸などが起こることがあります。

タダラフィル20mg 1錠

シアリスの後発品になります。持続効果が36時間と長く、自然な勃起効果を発言します。食事の影響は他のED薬より受けづらいといわれております。じわじわと効いてくるという特徴のため逆に即効性はありませんので性交渉の3時間以上前から内服するようにしてください。実際には性交渉のタイミングというのは予測できないことも多く性交渉の1時間前にバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)を内服するというのは難しいという方もいらっしゃいます。その欠点を補うのがタダラフィルの持続時間の長さになります。
副作用はバイアグラやバルデナフィルと同じく血管拡張作用に伴う頭痛、目の充血、ほてり、動悸などです。軽微なものが多いですが気になる場合は医師にご相談ください。