今は梅毒の患者さんが急増しております。
梅毒のステルイズ®(ペニシリン筋肉注射)治療に当院では対応しております。
第2期までの梅毒であれば1回の注射で治療ができます。
梅毒に対するペニシリン筋肉注射は世界的には標準治療ですがわが国でも近年になって行うことができるようになりました。
それまではアモキシシリン(サワシリン)の長期内服の治療が日本は主たるものでしたがわが国独自もので世界的な標準治療とはまた別のものでステルイズ®(ペニシリン筋肉注射)治療はより確実な治療となります。
ペニシリンの筋肉注射の部位は臀部つまりお尻の筋肉になります。コロナワクチンの筋肉注射は肩の三角筋に行いますが梅毒治療のペニシリン筋肉注射は注射量も多いため臀部の大きな筋肉に注射します。具体的には右の中殿筋と呼ばれるお尻の右上の筋肉にステルイズの投与を行います。針の刺入時と薬液の注入時には痛みはあります。薬液の注入時の方が痛みを強く感じる方が多いです。
注射後30分間はアナフィラキシーが起きないか経過観察をするために院内で待機して頂きます。
第二期梅毒であった場合はヤーリッシュヘルクスハイマー反応といって注射してから数時間後、多くは帰宅後の夕方や就寝前などに悪寒戦慄とともに高熱が出現します。皮疹などの梅毒の症状が一過性に悪化することもあります。梅毒の死菌に対する反応で一過性のものなので特に大きな心配はありません。カロナールなどの解熱薬で対応すれば多くは速やかに改善します。
注射後1日か2日ほどは注射部位に歩行時などに軽い痛みを感じる場合がありますが多くの場合は自然軽快します。
1か月後に血液検査で梅毒RPR定量値を測定し効果判定を行います。
感染からそれほど時間がたっていなければこの時点で速やかにRPR値が治療前の1/4まで低下しております。逆に同じ第二期梅毒であっても少し時間が経過しているとペニシリン治療が成功していてもRPR値が下がってくるまでに数か月から1年程度のタイムラグがある場合があります。
梅毒以外にも淋菌・クラミジアのPCR検査にも対応しております。
陰部の淋菌・クラミジア検査に関しては男性のみ尿検査で行います。
(女性の検査には対応しておりません)
咽頭の淋菌・クラミジアに関しては生理食塩水15-20mLで顔を上にあげて15秒から20秒程度がらがらと勢いよく「うがい」をして頂き、その「うがい液」を紙コップに回収してスタッフがPCR検査のチューブに分取して検査会社に提出します。
外注検査になるので後日の結果説明となります。