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04 尿酸が高い・通風

血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症となります。
尿酸が7を超すと血液中に尿酸が溶けきらず関節に結晶が析出してしまうリスクがあります。

尿酸の結晶が関節内に析出すると激しい炎症が引き起こされて痛風発作と呼ばれる関節炎となります。初回はほとんど足の親指(拇趾)の付け根です。
痛風による関節炎では激痛のあまり、それこそ風が吹いて当たったくらいでも痛いということで「痛風」という病名の語源になっています。
痛風以外には尿路結石の原因になることもあります。

一般的に尿酸値は女性の方が低い傾向にあり、高尿酸血症や痛風は男性に多く見られます。
尿酸とはプリン体の最終代謝産物です。
人では尿酸の約75%が腎臓から尿の中に排出され、残りは腸管などから便中に排出されます。

プリン体というのは核酸という物質の主成分でプリン体自体はほとんどの食事に含まれており余り厳密に制限しすぎるのも栄養の偏りに繋がってしまいますが、極端にプリン体の含有量が多いものには注意が必要です。

プリン体の多いものの代表と言えばビールになります。アルコールの中でもビールが最も痛風リスクを高めるといわれています。飲酒量を減らすのが基本ですが飲みたい場合はプリン体フリーのビールを選ぶことをおすすめします。
その他、プリン体の多い食事といえばレバー、白子やイワシ、エビ、カツオ、あんこうなどの一部の魚介類が挙げられます。
逆に野菜類全般や米などの穀類、豆類、きのこ類、乳製品、豆腐などはプリン体含有量が極めて少ない食品となります。

尿酸値が高い方にはまずは生活習慣の見直しを行って頂きますが尿酸値が高くなりやすいかどうかには生活習慣の要素以外にも遺伝的、体質的な要素もあります。
体質的に体内に貯まった過剰な尿酸を体の外に出す力が低い方もいらっしゃいます。
また腎機能が低下しても尿酸値は上がりやすくなってしまいます。
また利尿剤などの一部の薬では薬剤性に尿酸値が上昇することもあります。

どうしても尿酸値が上がりやすい方も一定数いらっしゃるのは事実ですが少なくともメタボがあって尿酸値が高い方は生活習慣は是正すべきかと考えます。ただし尿酸値を急激に短期間で下げると関節内に沈着した尿酸結晶が剥がれ落ちて痛風発作を誘発することがあります。
そのため薬物療法として尿酸降下薬を導入するときは発作の急性期を避けて、ゆっくりと少量から導入して徐々に増量していくこととなります。

逆に今まで痛風発作を起こしたことがない方で尿酸が高い方の薬物療法に関しては世界的には共通の見解はないようですが、わが国のガイドラインでは尿酸値8.0~9.0mg/dL以上で将来の痛風発作のリスクが高まることが大規模な研究で示されていることから薬物療法の目安としております。

実際には無症候性高尿酸血症の治療は1人1人の患者さんと相談しながらの対応となることも多いです。