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01血圧が高い

高血圧とは140/90mmHg以上が平均して続く場合です。ただしこれは病院や健康診断で測定したときであり、家庭血圧においてはこの値から5を引いて考える必要があります。つまり家で血圧を測った血圧が135/85mmHgを越すことが多いようであれば高血圧として考えます。近年は家庭血圧をより重視して考えるようになっております。
そのため当院でも患者さんにはなるべく家庭血圧を記録を付けて頂くようにお願いしています。

高血圧の怖い所は自覚症状がない点にあります。
自覚症状がないため健康診断で血圧が高いことを指摘されていても多忙を理由に受診や治療を後回しにしてしまう方もいらっしゃいますが最初に出る症状が心筋梗塞や脳卒中の症状だったということがあります。

私自身が病院で勤務しているときは狭心症、心筋梗塞、脳卒中といった大きな病気をしてから血圧の薬を飲み始めるという患者さんを数多く見て参りました。
しかし、そもそもこういった大きな病気を最初から起こさないという未病の考え方(一次予防といいます)の方が大事なのは言うまでもありません。

高血圧はサイレントキラーとも言われます。症状がないから治療しないではなく症状がないからこそ大きな病気を起こす前に早めに治療をする必要があります。
まずは血圧が高めと言われたら家庭血圧計を購入して2週間朝晩で血圧を測ってみましょう。
家庭血圧計は上腕(二の腕)で測るタイプのものであればご自身で使いやすいと思えるものでかまいません。
※手首で測るタイプの家庭血圧計は誤差が大きいため推奨されません。

血圧は日内変動がある方もいらっしゃいますので少なくとも最初のうちは朝晩で血圧を記録付けて頂きたいです。(日内変動のパターンによっては血圧の薬を飲む時間も変わってくる場合もあります。)
特に朝方血圧が高くなるような日内変動のある方は心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるとされており注意が必要です。

血圧の薬(降圧剤)を飲む場合でも飲まない場合でも生活習慣の改善は重要です。
食事療法、運動療法が基本となった上で薬物療法を行っていくという考えが根底にないといずれ薬が増えていく一方になります。
食事療法では減塩や内臓脂肪型肥満の是正が中心となってきます。
特に塩分の過剰摂取には注意が必要です。
血圧が高めの方は塩分を1日あたり6g未満に控えましょうという目安があります。
味噌汁、梅干し、ラーメン、漬物などは塩分過剰摂取の減員になりやすいので注意しましょう。

もちろん高血圧には遺伝的な要素もあります。血縁者に血圧の高い方が多ければ同じ量の塩分を摂取していてもそうでない方に比べて血圧が上がりやすいということもあります。
しかし遺伝的・体質的に血圧が上がりやすい方であれば、尚更塩分の過剰摂取にならないように意識が必要かと思われます。
東北地方は全国的にも塩分摂取量が多く(比例して心血管病、脳卒中も多い)濃い味付けに舌が馴れてしまっているということが多々あります。
そのため普通だと思っている普段の食事自体が相当塩分の濃い味付けであるということもあり注意が必要です。

余談になりますが実は私自身も18才の時に大学入学で初めて東北に来た時に味噌汁の味が余りにも濃いのでびっくりした記憶がありますが地元出身の友人達ははこれが普通の味だという反応でした。
長く住んでいると段々普通の味に感じてきてしまうものですが普段の食事の塩分摂取量を改めて見直してみるのも大事かもしれません。